◆幼虫の追跡調査1

 

追跡調査1及び追跡調査2で観察を開始した結果、孵化後に何日経過すると幼虫の体に斑模様が出るかが判明しました。結果を示します。個体A~Kまでの10個体で追跡しました。

ハガミ山 木之郷フジバカマ園での結果です。3~5齢に比べ地味な斑模様であるが「私は危険な生き物ですよ」の意思表示であり今後、生き抜いていくための進化でしょう。


 

2022年11月10日

初齢からいつの段階で斑模様が出現するのか確認したくて追跡します。追跡する個体Aは孵化後、2日目の体長約3mmの幼虫です。食痕の大きさは6〜7mmぐらいです。トレンチングを開始しています。トレンチングとは?詳しくは森林総合研究所ウェブサイトへのリンクになります。ここに詳しい説明があります。

 

11月11日

個体Aは少し大きく感じました。食痕から比較すると目視で約4~5mmでしょうか。肉眼では見えませんが拡大すると斑模様が薄っすら見えていました。

 

11月12日

個体Aは移動して姿が見えません。

 

11月12日

苗は大きくなく体長6mmの個体を葉の裏に探しましたがいませんでした。黄色円の葉の裏にいた個体Bを追跡することにします。

 

11月12日

この初齢幼虫を個体Bとします。孵化から3〜4日後で、体長は目視で約4mmと思われます。斑模様は薄っすら見えています。

 

11月13日

個体Bの体長は約5mmでしょうか。食痕の周囲に白い液体の出た跡が見えます。

 

11月14日

昨日の個体Bはその葉っぱにはいなく、別の葉っぱにいましたしかも2匹です。別の苗への移動は考えにくく、これが追跡している個体A・個体Bでないかと思われます。

右の少し大きい幼虫は12日にいなくなった個体A、左の個体Bは12日に見つかった幼虫と考えるのが自然だ。斑模様が出ています。

 

11月14日

拡大画像です。

 

11月15日

新たな個体がいたので追跡します。食痕から孵化して3〜4日目、個体Cとし体長は目視で約4mm未満です。昨日いた個体A・個体Bが個体Cと同じ葉っぱにいました。個体Aと個体Bで2日間の孵化日ずれでこんなに差が出ています。

 

11月16日

個体Bと個体Cがいました。個体Cに斑模様が出現していました。

 

11月16日

個体Aです。2齢幼虫(脱皮1回)になっていると思われます。

 

11月16日

孵化した間もない幼虫がいました。殻が残っているので孵化から1〜2日後と思われます。個体Dとします。体は灰色です。

 

11月17日

個体Dの幼虫がいました。体長は約3.3mm未満で葉っぱを食べ始めていました。体は灰色です。

 

11月18日

朝の気温16度で低いせいか、食痕が少なくあまり成長していません。

 

11月19日

個体D、体長約3.5mmです。体にわずかな斑模様が見えています。

 

11月19日

個体Aです。11月10日の時、4mm未満でした。今は約10mmにまで成長しています。食欲旺盛で葉っぱを半分以上食べ尽くしています。

 

11月19日

新しく個体E、個体Fがいました。既に斑模様が出ています。食痕からすると孵化後、2〜3日目と思われます。

 

11月19日

個体Eの体長は約5.3mm、個体Fの体長は約5mmです。

 

11月20日

個体Eは頭を突っ込んでいるため体長の測定は不可能。個体Fは体長約5.2mmでした。

 

11月20日

追跡していた個体Dのいた葉っぱが地上に落ちていて幼虫はいませんでした。昨日より食痕が多くあったので午後から落葉したのかもしれません。また、個体A、個体E、個体Fは見つからなかった。いったん観察は停止します。