1齢から3齢の幼虫が冬越しするという内容が文献にありました。本当にそうなのか、4齢は冬越しできないのか、香川県ではそういう記録がないため幼虫を観察していきます。2022年12月8日から開始で、観察日は不定期になります。
鬼女蘭苗は5本あります。苗3は成長が遅く幼虫はいません。
結果として、香川県では1齢から5齢まで幼虫は冬越し出来ることがわかりました。
年末まで観察していてわかったこと。
・幼虫は伸びたり縮んだり、計測する時間により変化(1~2mm)していました。
・12月の成長はゆっくりしていると感じました。
・大きく成長した幼虫は鳥などに捕食されないよう上方向にいました。
体長を計測する簡易デジタルノギスです。幼虫の背中が伸びている時に計測するよう心がけました。
12月8日
第1回観察日
観察開始の頭数を数え、体長を計測しました。棒グラフを示します。縦軸に頭数、横軸に体長です。
12月8日
苗1にいた幼虫は体長が21.3mmありました。
12月16日
第2回観察日
苗1にいた体長18.5mmの幼虫です。その時の状態によって計測する大きさが変化しています、12日と比較して小さく感じます。
12月16日
苗1及び苗2にいた幼虫の顔です。拡大すると組紐のような模様がきれいです。
12月21日
第3回観察日
12月21日
苗2にいた上側の体長16.8mmの幼虫です。下の幼虫と比較して黒色が際立っているから4齢でしょう。
12月21日
苗5にいた幼虫は体長8.9mmです。
12月26日
第4回観察日
5~10mm未満の幼虫です。体長10mm未満は現在9頭います。2022年の観察は本日で終了します。
2023年観察開始スタートです。
第5回観察日
1月12日
平均体長が伸びています。
1月12日
苗1の幼虫たちです。体長20mm、19.9mmです。
1月12日
苗2の幼虫たちです。体長5.6mm、19.2mm、16.1mm、20.7mm、17.9mmです。
同様に体長4.8mm 5.6mm 6.6 mmです。
1月12日
苗4の幼虫たちです。体長8.2mm、 7.7mmです。
1月12日
苗5の幼虫たちです。体長5.9mm、8.5mm、6.7mmです。
1月22日
第6回観察日
1匹が大きくなっていました。体長28.1mm 胴体5.8mm。
観察開始した2022年12月8日と2023年1月22日の比較をしました。体長は成長して大きくなりました。
1月24日から26日は寒波で気温が低く幼虫たちへの影響が心配されましたが、1月31日に観察したところ13匹すべて生存していました。
最高気温と最低気温
高松地方気象台データを基に1月の最高と最低気温を掲載します。
第7回観察日
2月20日
平均体長が17.4mmとやや全体に大きくなりました。幼虫は1匹減り12匹になりました。
2月20日
体長33.3mmです。蛹になるのが近いかもしれません。
最高気温と最低気温
高松地方気象台データを基に2月の最高と最低気温を掲載します。
第8回観察日
3月1日
葉の葉柄(根元)をかじっています、乳白液(黄色い丸で囲んだ)が出ています。この乳白液はガガイモ科植物が持つアルカロイド系の防御物質の通り道を噛み傷によって遮断し、食べるべき場所を隔離してから食べ始めるためです。引用:国立研究開発法人 森林総合研究所
3月1日
平均体長は18.2mm、数は11に減りました。
3月8日
体長36mmあります。
3月17日に幼虫の数が減って入ることがわかりました。3齢が1匹に、2齢が3匹です。
当日に鳥の侵入を防止する網を張りました。
3月20日
幼虫の確認に行きました。4頭いました。左端の鬼女蘭が葉っぱが食いちぎられていました。3月8日の確認では葉っぱはありました。3月17日、4匹に減ったいうことはこの期間までに葉を食いちぎり食べつくし、その後、鳥などに食われたというのが自然です。
3月21日
1匹減りました。残り3匹を知り合いに引き取ってもらうことにしました。明日まで生きていることを願います。
3月22日
3匹生きていました。
お引越しです。網で守っています。
3月24日
ハガミ山 木之郷フジバカマ園で幼虫2匹が見つかりました。知り合いに持って帰ってもらいました。
3月30日
知り合い宅の状況です。脱皮していました。
5月4日
蛹の状態です。
5月5日
羽化してアサギマダラが誕生しました。